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まい・らびりんす

*わたしの五行歌

「わたしの五行歌」



「再会」
待ちわびて
待ちわびて
夢に見て夢で会い
今日触れる
あなたのくちびる
「往時のフィレンツェ」
石畳に立ち止まり
瞳閉じれば
時の流れは遡り
微かに聞こえる馬車の響き
仮面の男と女が通り過ぎる
「夏の昼下がり」
炎天に
風がとまり
すべてが眠り
時間(とき)とまり
気配無し
「ナイター」
港に霧が降り
灯りがけぶり
ざわめきがくぐもる
スタジアムに
白く流れて落ちる
「夏」
高き陽の
熱気の中で
生い茂る
小さな庭の
夏草を刈る
「初恋の頃」
甘くて切なくて
苦しくて可笑しくて
狂おしかった
女の子の日の
恋し恋
「浴衣の人」
涼やかに
きりり浴衣の
胸元が
そっと恋うる
あつく恋うる
「過ぎ去りし日」
燃えて焦がれて
焦がれて燃えて
燃え尽きて
倒れて死んで
生きてきました
「おもい」
目の前を
ゆったり歩く
黒猫が
かなたへと
消えてゆく



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